たばこで一獲千金。

タバコを止めて、28年経った。

ヘビースモーカーだったが、
平成元年の5月の連休に辞めた。

というか、辞めさせられた。

まだ女房殿と付き合っている頃で、
当時パチンコもしていたので、景品で
タバコを何カートンも女房殿の部屋に
置いていた。

丁度5月の連休前に、「明日からタバコ
辞める」と口を滑らせてしまった。

「あっ、そう」って聞き流したはずの女房殿。

次の日に、私が「タバコは？」って言ったら
「あなた、辞めるて云ったやん」だから「捨て
ました」って言ってきた。

まさかと思いつつ、問いただしても、「捨てた」の
一点張り。

んじゃ、「買って来るから」と言ったら、灰皿も
ライターも全部捨てたというではないか。

当時セブンスターを一日2箱から3箱吸う、ヘビ
ースモーカーであった私は、以後二度とタバコ
を口にしなくなった。

今思えば女房殿に感謝であるが、当時は何て
いう彼女なんだ、くらいにしか思ってなく、数年は
つらい日々が続いた。

口が寂しいので、雨やガムはたらふくたべるし、
程無くして食事が美味しくなり、どんどん肥えて
いった。

タバコ代が浮くからいいやという考えもスグに、
普通の感覚に戻り、どうしたらたばこ代が財布
に残るのだろうと思える程、辞めた甲斐がなくな
ってしまった。

タバコを辞めて2から3年は、タバコを吸う夢を見
て、やっぱり俺はダメ人間だと思った瞬間に目が
覚めたことも何度もあった。

高校から、ショッポを吸いはじめ、最後はセブン
スターだった。

今は、朝の散歩で、相当前にタバコを吸った人が
通っていても、マンションの高い階の住人がベラン
ダで吸っていても、分かるほどになった。

研ぎ澄まされた嗅覚を手に入れてしまったのである。

そんな時、自分では分からないが、すごく不愉快な顔
をしているに違ない。

それ位、たばこ嫌いになった。

でも今でも、たばこをかっこよく吸っているヒトを見ると
「ウインストン」でも吸ってみたいなぁと思う事がある。

タバコは、辞めれない理由があるとも思っている。

身体のどこかで、身体が欲しているところがあるから
辞めるのが難しいのだと。

いま思っているのは、たばこを買い占め冷凍保存し
20年ぐらいたてば、麻薬の様にタバコが普通に購入
出来なくなっていて巨万の富を得られるのでは？

そんなに生きてないか。